サンプル ビルドの使用
Incredibuild Linux にはビルド プロジェクトのサンプルが 2 つ用意されています。これらのサンプルを使って Incredibuild Linux の使用方法を学習し、その性能をテストすることができます。
サンプル ビルドの格納場所
Incredibuild Linux のインストーラー ファイルには次の 2 つのサンプル プロジェクトが含まれています/opt/incredibuild/samples/ に保存されています。
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Make ビルドのサンプル: Make を使って GCC プロセスを分散する方法を学習できます。
保存場所は/opt/incredibuild/samples/make_build/ です。 -
カスタム ビルドのサンプル: ib_profile.xml ファイルをリモート実行用に構成することでカスタム プロセスを分散する方法を学習できます。
保存場所は/opt/incredibuild/samples/custom_execution/ です。
サンプル ビルドの実行
Make ビルドのサンプル
Make ビルドのサンプルでは Make ビルドで Incredibuild Linux を使う方法を学習できます。
Makeでは、Makeが並列実行するプロセス数の最大値を-j コマンドオプションで指定します。通常このオプションの値はビルドを行うマシンの CPU のコア数に対応していますが、Incredibuild では、Incredibuild 環境全体のリモート CPU コアを使用可能であるため、-j コマンドオプションに高い値を設定し、できるだけ多くのプロセスを並列実行させる必要があります。
Make 以外のビルド ツールの場合は、並列処理のオプションが違ったり、構成ファイルの変更が必要になったりすることがあります。
> Make ビルドのサンプルを実行する
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Make と gcc コンパイラがインストールされていることを確認します。
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ターミナルで、Makeのサンプルビルドの次のディレクトリに移動します:/opt/incredibuild/samples/make_build/
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ビルド ディレクトリで次のコマンドを入力します。
ib_console make -j <Number_of_Processes_to_Run_in_Parallel>
注意:-j の値は、Incredibuild 環境のリモート Helper マシンに必ずタスクが分散されるように、ローカルコアの数よりもさらに大きくする必要があります。-j オプションが複数ある場合は最後のものが使われます。
ib_console make -j 100
カスタム ビルドのサンプル
カスタム ビルドのサンプルでは、ib_profile.xml ファイルにカスタム プロセスの設定を追加して、Incredibuild 環境で利用可能なコアに分散する方法を学習できます。
サンプルのカスタム ビルドにはカスタムビルドツール 「ib_test_invoker」 が含まれています。このカスタムツールは、カスタムプロセスである 「sleep」を実行します。
既定の ib_profile.xml ファイルにはカスタム プロセス「sleep」が含まれていないので、このプロセスを新たに作成した ib_profile.xml ファイルに追加して、プロジェクト、ホーム、マシンレベルなど別の場所に保存しておきます。新しく作成した ib_profile.xml ファイルで「sleep」プロセスを「allow remote」(ローカル マシンとリモート マシンの両方のコアでプロセスを実行可能) として定義します。
サンプルのカスタム ビルドには、カスタマイズされた「 ib_profile.xml」 ファイルがすでに含まれており、以下の場所にあります。/opt/incredibuild/samples/custom_execution。カスタム プロセス「sleep」が追加され、「allow remote」として定義されています。
<processes>
<process filename="sleep" type="allow_remote"/>
</processes>
「allow remote」として定義することで、カスタマイズしたプロセスを Incredibuild 環境の利用可能なすべてのコア (ローカル /.リモート) に分散できるようになります。
注意: 既定値では、「ib_profile.xml」 ファイルにカスタムツールが指定されていない場合、「Intercepted」として扱われます。ib_profile.xml ファイルでカスタム プロセスが指定されていない場合は「local_only」として処理されます。
カスタム ツール「ib_test_invoker」を実行するには、実行するプロセスの数と時間を指定する必要があります。
> サンプルのカスタムビルドを実行するには:
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ターミナルで、以下の、カスタムビルドのサンプルのディレクトリに移動します。/opt/incredibuild/samples/custom_execution/
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ビルド ディレクトリで次のコマンドを入力します。
ib_console ./ib_test_invoker <Number_of_Processes> <Duration_of_Each_Process_in_Seconds>
<Number_of_Processes>: ビルド実行後に実行する「sleep」プロセスの数 / <Duration_of_Each_Process_in_Seconds>: 各プロセスの実行時間。30 秒のプロセスを 20 回実行する場合のコマンドは次の通りです。
ib_console ./ib_test_invoker 20 30