シングルユース仮想マシン イメージ

ビルドの過程でイメージからVM (仮想マシン) が自動的にプロビジョニングまたはデプロビジョニングされるシナリオでは、VM で使用されたコア パッケージやソリューションは、VM が破棄された後も自動的にライセンス プールに戻りません。そのため、使用されていない VM インスタンスにコア パッケージとソリューションが割り当てられたままとなってしまいます。

この場合「シングルユース VM イメージ」機能を使って、破棄された VM に割り当てられているコア パッケージとソリューションを自動的に割り当て解除して、ライセンス プールに戻すことができます。

これには、特別な Incredibuild インストール オプションを使用して VM をプロビジョニングするイメージに Incredibuild Agent をプリインストールする必要があります。このインストール オプション (「シングルユース VM イメージ」) を使用してイメージをインストールすると、イメージに基づいてプロビジョニングされたすべての VM に Coordinator によって適切なコア パッケージとソリューションが自動的に割り当てられ、Coordinator との接続が解除されると、コア パッケージとソリューションは自動的に割り当て解除されてライセンス プールに戻ります。

このようなイメージからプロビジョニングされた VM が破壊されると、つまり Coordinator に対してオフラインになると、この特定の VM インスタンス は、Incredibuild インフラへの接続が許可されなくなることに留意して下さい。

イメージから新しくプロビジョニングした VM インスタンスが既存の Incredibuild インフラに接続されて、コア パッケージとソリューションが割り当てられます。デフォルトのタイムアウト時間は変更可能です。タイムアウト時間とは、シングルユース VM が破棄されるまでの時間で、Coordinator とオフラインになっている時間 (期間) を指します。これはネットワークの切断などでシングルユース VM と Coordinator の接続が解除された場合でも、割り当て済みのコア パッケージやソリューションを解除したくない場合に役立ちます。

「Coordinator Settings」でコア パッケージのみを自動的にシングルユース VM に割り当てるように設定することもできます (ソリューションは割り当てない)。

*「シングルユース VM イメージ」は Incredibuild エンタープライズでのみご利用になれます。

設定手順

  1. VM (仮想マシン) インスタンスを自動的にプロビジョニング / デプロビジョニングしたいイメージに [Create a single-use Virtual Machine Image] オプションを使用して、Incredibuild Agent をインストールします。VM をプロビジョニングするイメージに Incredibuild をインストールするには、インストール オプション ダイアログで [Custom] > [Create a single-use Virtual Machine Image] のチェックボックスをオンに設定します
    1. また、以下のコマンドラインを使用して、サイレント・インストール・モードでSingleUseVMをインストールすることも可能です。   IBSetupConsole.exe /Install /Components=Agent,oneuse /Coordinator=YourCoordHostname
  2. インストール処理を完了します (該当するセットアップ ページで Incredibuild ライセンスが読み込まれている Coordinator を選択します)。
  3. イメージを保存します。
  4. [Coordinator Settings] で [Single-use VMs] を設定します。
    1. タイムアウト時間を過ぎると、Coordinator との接続が解除されたシングルユース VM はデプロビジョニングされたとみなされます。デフォルトのタイムアウト時間は 30 秒です。
    2. Coordinator がシングルユース VM に利用可能なソリューションを自動的に割り当てるかどうか ([Automatically assign available solutions to new single-use VMs]) を選択します。デフォルトではチェックボックはオン (自動で割り当て) になっています。
  5. このイメージを使用している新しい VM インスタンスがプロビジョニングされると、適切なコア パッケージとソリューションが自動的に割り当てられます。

  6. この VM が破棄されると、コア パッケージとソリューションは自動的に Incredibuild ライセンス プールに戻ります。

  7. 破棄された VM インスタンスは Incredibuild システムに登録できません。上記のイメージに基づく新しい VM を Incredibuild システムに接続するには、イメージから新しい VM をプロビジョニングします。

注意と制限

  • この機能は Incredibuild エンタープライズでのみ利用できます。

  • Coordinator に同時接続できるシングルユース VM の上限は、Incredibuild ライセンスで使用できる Incredibuild Agent の数となります。

  • 現時点では、Incredibuild ライセンスのコア パッケージまたはソリューションが不足していて VM に割り当てられない場合、該当の VM がプロビジョニングされ、Coordinator に接続されても通知は表示されません。この場合、VM の Agent はサブスクライブ解除されるか、コア パッケージやソリューションが割り当てられないままになります。

  • 設定したタイムアウト時間よりも長い間 Coordinator と切断状態のシングルユース VM は、破棄されたとみなされます。

シングルユース VM のリセット

Windows の更新や追加ソフトウェアのインストールなど、イメージの構成を変更する場合には、新しい変更を適用するためにイメージを保存し直す必要があります。Incredibuild Agent を Coordinator に接続した後にイメージを保存すると、このイメージからプロビジョニングされた新しいインスタンスは Coordinator によってサブスクライブ解除されます。これを防ぐには、イメージを保存する前にシングルユース VM イメージをリセットする必要があります。Coordinator モニターの「Reset Single-Use VM」設定で Coordinator にイメージを「忘れ」させて、イメージからプロビジョニングしたインスタンスを Coordinator に接続可能な状態で保存することができます。この段階でイメージの保存ができるようになります。イメージを保存する前に Agent サービスを再起動すると接続できなくなるのでご注意ください。

「Reset Single Use VM」の設定を有効にする手順は次の通りです。

  1. Coordinator モニターを開きます。
  2. 対象のシングルユース VM を右クリックして [Reset Single-Use VM] を選択します。
  3. シングルユース VM をリセットすると、VM 内の Agent サービスが停止します。これでイメージを保存できるようになりました。