コンポーネントのインストール

Incredibuild は /opt/incredibuild ディレクトリにインストールされますが、データファイルはインストール コマンドで指定した data ディレクトリに格納されます。

インストールの準備

  1. マシンがオペレーティング システムハードウェアの要件をすべて満たしていることを確認します。

  2. SELinux (Security-Enhanced Linux) が無効になっていることを確認します。詳しくは「SELinux を無効にする」をご覧ください。

  3. Incredibuild の使用ポート (2088、2089、8080、9952、9953) に空きがない場合は、以下のインストール コマンドで GNL オプションを使用してポートを変更します。

  4. Web サイトから登録を行い、インストーラー ファイルを入手します。すでに登録済みでインストーラー ファイルが必要な場合は sales@Incredibuild.com までお問い合わせください。

  5. インストーラーを実行するには root 権限のユーザーが必要です。

標準のインストール

インストールをする前に上記のインストールの準備が完了していることを確認します。

  1. Incredibuild を可用性の高いマシンにインストールします。このマシンは Coordinator として動作させます。インストーラー ファイルを該当マシンにコピーして次のコマンドを実行します。

    sudo bash ./incredibuild__<version no.>.ubin install -C -A <path_to_incredibuild_data_directory>

    -S オプションを追加して同じマシンに Agent をインストールすることもできます。

    data ディレクトリが /opt/incredibuild ではないことを確認してください。

  2. ワークロードを開始、またはワークロードの実行を手伝うすべてのマシンで次のコマンドを実行して Incredibuild をインストールします。Agent を Initiator および Helper として動作させる場合は -S オプションを使います。Helper としてのみ動作させる場合は -H オプションを使います。

    sudo bash ./incredibuild_<version no.>.ubin install -S -O <Coordinator_Machine_IP_or_Hostname> -A <Path_to_Incredibuild_Installation_Directory>

インストール コマンド一覧

インストールの際に使用できるオプションは下表の通りです。Incredibuild Linux のヘルプを表示するには、オプションを指定せずに install コマンドを使用します。

ibuser@incredibuild:~$ ./incredibuild_3.11.0-229.ubin install

オプション 説明 注意事項
-A <Path>

Incredibuild DB とファイル キャッシュを格納するストレージ ディレクトリのパスを指定します。

このオプションはすべてのコンポーネントのインストールで指定します。指定したパスへのリンクが自動的に作成されます。

デフォルトで割り当てられるファイル サイズは 11 GB ですが、-Z オプション (下を参照) でサイズを指定できます。

ストレージ ディレクトリを /opt/Incredibuild の配下に設定することはできません。

-C Incredibuild Coordinator をインストールします。  
-C -H Coordinator と Helper Agent をインストールします。
-C -S Coordinator と Initiator Agent、Helper Agent をインストールします。
-H Helper Agent をインストールします。

-O <Coordinator
Machine>

Coordinator マシンの IP アドレスまたはホスト名を指定します。
  • このオプションはリモート マシンに Initiator や Helper Agent をインストールする際に使用します。Agent と Coordinator 間の通信を確立するのに必要です。
  • Agent を Coordinator と同じマシンにインストールする場合は不要です。
  • Agent と Coordinator 間の通信では、Coordinator に静的な識別子 (固定 IP アドレスまたはホスト名) が必要です。
-R SUVM SUVM (シングルユース仮想マシン) のライセンスを利用する VM のイメージに Initiator または Helper Agent をインストールします。 詳しくは「SUVM ライセンスの VM イメージの作成」をご覧ください。
-S Initiator Agent と Helper Agent をインストールします。
-6 (Coordinator のインストールで使用) Coordinator と Agent 間の通信規格に IPv6 を使用します。
  • 既定では Coordinator と Agent 間の通信には IPv4 が使用されます。
  • 設定は Coordinator マネジメント コンソールの [Coordinator Settings] ダイアログで変更できます。最後に入力した値が有効になります。
-D

(Agent のインストールで使用) Coordinator と Agent の自動接続テストをスキップします。

  • デフォルトでは、Initiator / Helper Agent をリモート マシンにインストールすると、Coordinator との接続テストが自動で行われます。Agent をインストールする際にテストをしたくない場合は、このオプションを追加します。
  • 接続テストは Coordinator と Agent間の通信を確認するのに必要です。このオプションを使った場合は、あとで必ず接続テストを行うようにしてください。
-G <port> (すべてのコンポーネントで使用) HTTP で Web 管理コンソールにアクセスするためのポートを指定します。
  • デフォルトでは 8080 番ポートを使用します。
-L <port> (すべてのコンポーネントで使用) HTTPS で Web 管理コンソールにアクセスするためのポートを指定します。
  • デフォルトでは 8081 番ポートを使用します。
ib_console -v (すべてのコンポーネントで使用) インストールしたコンポーネントのバージョン番号を表示します。 詳しくは 「ステータスと Incredibuild バージョンの確認」をご覧ください。
-N <port> (すべてのコンポーネントで使用) Coordinator のユーティリティ ポートを指定します。
  • デフォルトでは 9953 番ポートを使用します。
-Z <size> (すべてのコンポーネントで使用) ストレージ ディレクトリのサイズを指定します (GB 単位)。
  • 文字列。
  • デフォルトでは 11 GB が割り当てられます。
  • 5 GB 未満は非推奨です。

-p / --profile <profile_file>

profile ファイルを追加します。詳しくは「ib_profile.xml ファイルとは」をご覧ください。

 

旧バージョンのインストール

一般的には最新バージョンの使用を推奨しています。インストール コマンドはバージョン 3.11 で更新されましたが、それ以前のバージョンをインストールする場合は次の手順で行います。旧バージョンをインストールする際は -i オプションが必要です。また、.ubin の代わりに .bin を使用します。インストールをする前に、上記のインストールの準備が完了していることを確認します。

  1. Incredibuild を可用性の高いマシンにインストールします。このマシンは Coordinator として動作させます。インストーラー ファイルを該当マシンにコピーして次のコマンドを実行します。

    sudo bash ./incredibuild__<version no.>.bin -i -C -A <Path_to_Incredibuild_Installation_Directory>

    -S オプションを追加して同じマシンに Agent をインストールすることもできます。

  2. ワークロードを開始、またはワークロードの実行を手伝うすべてのマシンで次のコマンドを実行して Incredibuild をインストールします。Agent を Initiator および Helper として動作させる場合は -S オプションを使います。Helper としてのみ動作させる場合は -H オプションを使います。

    sudo bash ./incredibuild_<version no.>.bin install -i -S -O <Coordinator_Machine_IP_or_Hostname> -A <Path_to_Incredibuild_Installation_Directory>