Qtクリエイター
Qt Creator は Qt フレームワークでアプリケーションを設計・開発するために必要なツールを備えた統合開発環境 (IDE) です。Incredibuild を使えば Qt Creator のビルドも高速化できます。
Qt Creator を高速化するには Incredibuild プラグインを有効にするだけです。プラグインは最近のバージョンではすぐに利用できますが、以前のバージョンではダウンロードが必要です。
このプラグインはIncredibuild WindowsとLinuxの両方を統合し、様々なビルドシステムからビルドを実行することができます。対応バージョンの一覧は、「サポートツール」 をご覧ください。
Incredibuild プラグインを有効にする
-
Incredibuild がインストールされていることを確認します。
-
Incredibuild プラグインをインストールします。
-
[詳細] をクリックするとプラグインのビルド設定を編集できます。設定内容は Windows と Linux で異なります。設定内容の詳細は下の「Incredibuild プラグインの設定」をご覧ください。
ドロップダウン メニューや定義済みのテキスト フィールド以外のテキスト フィールドに Qt 変数を入力できます。入力した変数は Incredibuild によって適切な値に自動的に変換されます。
使用方法
Incredibuild プラグインのインストールが済んだら、Qt Creator の [プロジェクト] アイコン > [ビルド設定] メニューから「Incredibuild for Windows」または「Incredibuild for Linux」のビルド ステップを追加できるようになります。Incredibuild は定義済みのビルド ステップを繰り返すことで、現在のビルド設定で使われているビルド ステップを自動的に検出します。最初のビルドステップの設定は、Incredibuild のビルドステップの一部となり、通常のビルドツールが引き続き使用されますが、Incredibuild のビルド高速化の利点も追加されます。
Incredibuild のビルド ステップを追加するとプロジェクトのすべての構成に適用するかどうか尋ねられます。これに同意すると、関連するすべてのビルド設定に Incredibuild のステップが自動的に追加されます。Incredibuild が設定を繰り返し、最初のビルドステップに追加した後に、プロジェクトの設定を検討し、各ステップが適切に設定されていることを確認して、不要になった以前のステップを無効化することをお勧めします。
qmake の例
この例では、下の make のビルド ステップで定義された make ビルドツールを作成するための qmake コマンドを定義しています。Incredibuild のビルド ステップを追加すると、[コマンドヘルパー] で前回のビルド ステップで使用したビルドツール(この場合は make)が選択されます 。[Incredibuild for Windows] の [Make コマンド] フィールドには、make のビルド ステップで指定した「jom.exe」を格納したディレクトリが入力されているのが分かります。
CMake の例
この例でも、Incredibuild のビルド ステップを追加すると、[コマンドヘルパー] でビルドツールが自動的に CMake が選択されます。
元のビルド ステップが無効になり、コンパイルには Incredibuild のビルド ステップが使用されます。設定を戻すには、Incredibuild のビルド ステップを無効にして、元のビルド ステップを有効にするだけです (下の画像を参照)。
Incredibuild を使ったビルドの実行
Incredibuild のビルド ステップを設定して、通常通りに Qt Creator でプロジェクトをビルドするだけでコンパイルに Incredibuild が使用されます。
Incredibuild コンソールの出力は Qt Creator の [コンパイル出力] コンソールに表示されます。
[詳細] で [Open Monitor] のチェックボックスをオンにしている場合は (デフォルトではオン)、Incredibuild のビルドモニターが自動的に表示されます。
Incredibuild プラグインの設定
Windows の場合
項目 |
説明 |
---|---|
Profile.xml |
Profile.xml ファイルは、自動割込みインターフェイスで分散ジョブ関連の各種プロセスの処理方法を定義するのに使用します。「Visual Studio」や「Make & Build ツール」でのビルドには不要ですが、これらのパッケージに含まれていないプロセスをビルドに追加したい場合は、このファイルを使って構成オプションを提供できます。「DevTools」ビルドでは分散可能なプロセスを設定するのに使用します。 |
Avoid Local |
[Agent Settings] の [Avoid task execution on local machine when possible] の設定を上書きします。このオプションを有効にすると Initiator マシンのリソースが解放されます。Initiator マシンの CPU 使用率が高く、ビルドのボトルネックになっている場合に役立つことがあります。 |
Maximum CPUs to utilize in the build |
ビルドで使用するリモート コアの上限数を指定します。ビルドで使用する CPU / コアの上限のグローバル設定を上書きします。 |
最新の許可されたHelper マシンOS |
Helper としてビルドに参加できるマシンの OS (最新のバージョン) を指定します。 |
一番最初に許可されたHelper マシンのOS |
Helper としてビルドに参加できるマシンの OS (最古のバージョン) を指定します。 |
Build Title |
ビルド出力をテキスト表示する際にテキストの先頭に表示するカスタム ヘッダーを設定します。ここで設定した文字列がビルド履歴とビルドモニターにも表示されます。 |
Save Incredibuild monitor file |
ビルド プログレス (.ib_mon) ファイルのコピーの保存場所を指定します。フォルダ名のみ指定した場合は該当ファイル名の GUID が生成されます。.ib_mon ファイルの保存場所がビルド出力の最後に追加されます。 |
Suppress STDOUT |
標準出力に何も書き込みません。 |
Output Log file |
ビルド出力をファイルに書き込みます。 |
Show Commands in output |
Incredibuild がビルドで使用したCommand Lineを出力ファイルに表示します。 |
Show Agents in output |
ビルドで使用した Agent を出力ファイルに表示します。 |
Show Time in output |
ビルドの開始時刻と終了時刻を出力ファイルに表示します。 |
Hide Incredibuild Header in output |
ビルド出力の「Incredibuild」ヘッダーを非表示にします。 |
Internal Incredibuild logging level |
ビルドに適用する Incredibuild の内部ログのレベルを上書きします。出力やユーザーがアクセスできるログには影響しません。問題を調査する際にサポート部門で使用します。 |
Set an Environment Variable |
ビルドのコンテキストに合わせて環境変数を設定または上書きします。 |
Stop On Errors |
有効にするとエラーが発生した時点でビルドを停止します。「Visual Studio」のビルドではデフォルトで有効に設定されています (「Make & Build ツール」と「DevTools」のビルドではデフォルトで無効)。 |
Additional Arguments |
buildconsole の引数を手動で追加します。この値は buildconsole のコマンドラインの末尾に追加されます。 |
Open Monitor |
ビルドを開始時に Incredibuild ビルドモニターを起動して、ビルドの進捗状況をグラフィカルに表示します。 |
Keep Original Jobs Num |
「true」に設定すると -j オプションが上書きされません。-j オプションは並列実行するプロセスの数を指定するのに使用します。デフォルトでは大きな値 (既定値は「200」) が設定されます。 |
Linux の場合
説明 |
項目 |
---|---|
Specify nice value |
nice 値を指定します(-20 ~ 19)。 |
Internal Incredibuild logging level |
ビルドに適用する Incredibuild の内部ログのレベルを上書きします。出力やユーザーがアクセスできるログには影響しません。問題を調査する際にサポート部門で使用します。 |
Keep Original Job Number |
「true」に設定すると -j オプションが上書きされません。-j オプションは並列実行するプロセスの数を指定するのに使用します。デフォルトでは大きな値 (既定値は「200」) が設定されます。 |
Alternatetasks preference |
|
Forceremote |
リモート Helper に「allow_remote」タスクを強制します。 |
Incredibuild プラグイン ファイル
お使いの OS や Qt のバージョンに該当するファイルをダウンロードして次のディレクトリにコピーします。
QtCreator\lib\qtcreator\plugins
Windows
-
Qt Creator 4.12: 64-bit windows 32-bit windows
-
Qt Creator 4.11: 64-bit windows 32-bit windows
-
Qt Creator 4.10: 64-bit windows 32-bit windows
-
Qt Creator 4.9: 64-bit windows 32-bit windows
-
Qt Creator 4.8: 64-bit windows 32-bit windows
-
Qt Creator 4.7: 64-bit windows 32-bit windows
-
Qt Creator 4.6: 64-bit windows 32-bit windows
-
Qt Creator 4.5: 64-bit windows 32-bit windows
-
Qt Creator 4.4: 64-bit windows 32-bit windows
-
Qt Creator 4.3: 64-bit windows 32-bit windows
-
Qt Creator 4.2: 64-bit windows 32-bit windows