サイレント インストール

ここではコマンドラインを使って Incredibuild コンポーネントをインストールする手順をみていきます。Incredibuild をたくさんのマシンにインストールする場合やインストールしたことを気付かれたくない場合に適しています。

サイレント インストールは Incredibuild セットアップ ウィザードで作成した自動インストーラー ファイルを使って行います。

インストーラーの作成

1. Incredibuild のセットアップ ファイルを実行します。

2. Setup Options ページで、自動インストーラーの作成 を選択し、名前を付けて保存 をクリックします。

   
   

自動インストーラーの実行

1. コマンドプロンプトを管理者として実行します。

2. 上記で作成した自動インストーラー ファイルがあるディレクトリに移動します。

3. インストールしたいコンポーネントに応じて、次のコマンドとオプションを入力します。1 つのコマンドでインストールできるコンポーネントは 1 つだけです。

   IBSetupConsole.exe /Install /Components={Component Name} 
   /Coordinator={Coordinator IP Address/Hostname} 
   [General Options] [Component Options]

コマンドの詳細:

• Components (必須) これは、Agent、Coordinator、 Agent,oneuseのいずれかとすることができます。「oneuse」オプションの箇所は、シングルユースの VM イメージです。

• Coordinator - 関連するコーディネーターのIPアドレスまたはホスト名。Agent と Backup Coordinator のインストールでは必須です。
  Coordinator のポート番号がデフォルト (31104) 以外の場合は、Coordinator 名の後ろにコロン (:) とポート番号を追加して引用符で囲みます ("Coordinator_Name:Port_No")。例: "192.100.00.01:12345"。

• 一般オプション （オプション） - すべてのインストールコマンドに追加できる一般的なインストールオプション。(詳しくは後述)。

• Component Options（オプション） - インストールされた各コンポーネントに固有のインストールオプション。

自動インストーラーを使った Agent のインストールの例

コマンドプロンプトを起動して次のコマンドを入力すると、Coordinator「Win10-1」と通信する Agent がローカルマシンにインストールされます。

IBSetupConsole.exe /Install /Components=Agent /Coordinator=Win10-1

General Options

次のオプションはインストールするコンポーネントを問わず使用できます。

オプション	説明	既定値
/AddToPath={ON|OFF}	Incredibuild のインストール フォルダをシステムの検索パスに追加するかどうかを選択します。	オン
/InstallDir={Install dir path}	Incredibuild のインストール フォルダを指定します。	C:\Program Files (x86)\Incredibuild

自動インストーラーを使ったインストール

Agent のインストール

自動インストーラーで Agent をインストールするには次のコマンドを入力します。

IBSetupConsole.exe /Install /Components=Agent 
/Coordinator={Coordinator IP Address/Hostname} 
[General Options] [Agent Options]

Agent のインストールで追加できるオプションは下表の通りです。

オプション	説明	既定値
/Agent:AutoSelectPorts={ON|OFF}	Agent Service と Helper コア用の TCP/IP ポートを自動的に選択するかどうかを指定します。オンにすると手動で指定したポートが上書きされます。	オフ
/Agent:FILECACHE={Number in MBs}	Agent のファイル キャッシュの上限 (MB) を指定します。	4096
/Agent:Group={Build Group name}	[エンタープライズ版のみ] {Group name} の値にグループ名を入力して特定のビルド グループに Agent を割り当てます。詳細については、Agentをビルドグループに割り当てる をご覧ください。	デフォルトのビルド グループ
/Agent:HelperPort={Port no.}	Intiator と Helper コア間の通信で使用するポートを手動で指定します。「/Agent:AutoSelectPorts」オプションがオフの場合のみ有効です。	31106
/Agent:InstallAddins={ON|OFF}	Visual Studio IDE に Incredibuild アドインをインストールします。	オン
/Agent:OpenFirewall={ON|OFF}	Windows ファイアウォールで Agent ポートを開放します。	オン
/Agent:ServicePort={Port no.}	Coordinator との通信で使用する Incredibuild Agent Service ポートを手動で指定します。「/Agent:AutoSelectPorts」オプションがオフの場合のみ有効です。	31105

Agent オプションを使った Agent のインストールの例

次のコマンドを入力するとローカルマシンに Agent がインストールされます。この Agent はホスト名が「Win10-1」の Coordinator と通信し、ファイル キャッシュの上限は 4,500 MB で「Dev」ビルド グループに割り当てられます。

IBSetupConsole.exe /Install /Components=Agent /Coordinator=Win10-1  
/Agent:FileCache=4500 /Agent:Group=Dev

Coordinator のインストール

自動インストーラーで Coordinator をインストールするには次のコマンドを入力します。

IBSetupConsole.exe /Install /Components=Coordinator 
[General Options] [Coordinator Options]

Coordinator のインストールで追加できるオプションは下表の通りです。

オプション	説明	既定値
/Coord:OpenFirewall={ON|OFF}	Windows ファイアウォールで Coordinator Service ポートを開放します。	オン
/Coord:ServicePort={Port no.}	Agent との通信ポートを手動で指定します。	31104

Coordinator と Agent のインストール

自動インストーラーで Coordinator と Agent をインストールするには次のコマンドを入力します。

IBSetupConsole.exe /Install /Components=Coordinator 
/Coordinator={Primary Coordinator IP Address/Hostname} 
[General Options] [Agent Options][Coordinator Options]

IBSetupConsole.exe /Install /Components=Agent 
/Coordinator={Primary Coordinator IP Address/Hostname} 
[General Options] [Agent Options][Coordinator Options]

Backup Coordinator のインストール

Backup Coordinator をインストールすれば、メインの Coordinator が故障したり、利用できなくなったりした場合でも、その機能が引き継がれ、分散処理を実行し続けることができます。メインの Coordinator に接続されているマシンにインストールする必要があります。

自動インストーラーで Backup Coordinator をインストールするには次のコマンドを入力します。

IBSetupConsole.exe /Install /Components=Coordinator /Coord:Backup 
/Coordinator={Primary Coordinator IP Address/Hostname} 
[General Options] [Coordinator Options]

注意： このコマンドに追加できる Coordinator のオプションは、プライマリ Coordinator と同じです。

Agent (シングルユース VM) のインストール

[エンタープライズ版のみ] 自動インストーラーでシングルユース VM ライセンスの Agent をインストールするには次のコマンドを入力します。

IBSetupConsole.exe /Install /Components=Agent,oneuse 
/Coordinator={Coordinator IP Address/Hostname} 
[General Options] [Agent Options] [Coordinator Options]

アンインストール / 更新 / 修復

Incredibuild をサイレントにアンインストール、更新、既存のインストールを修復するには、それぞれに対応するコマンドラインを入力して自動インストーラーを実行します。

> アンインストール

IBSetupConsole /uninstall

> バージョン更新

IBSetupConsole /update

> インストールの修復

IBSetupConsole /repair